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こころ…B(寺の保育園)

(12)

読者諸氏は とっくに気づいておられるが…

この警備事務保安のオヤジこと 南野太郎平

(ナンノタロべ〜)とは むろん 丞のこと

である。

もう云ったかも知れないが 丞は 巷の絵描きで

商業デザインと 個人の創意画の2種を 手掛けて

いる。 生業いは前者だが 丞本人は もっぱら

自分の表現だけの風変わりな絵を描いては…

勝手に発表したりして…遊びで苦労している。

この丞という者は すこぶるモノを 縁覚

(えんかく)する癖があって 識者のシの字も

無いくせに… 識者を斬る 遊びを ちょっと

知っている 部分もある…☆

あれは 利口でも 賢いのでも無い… ただ単に

発想が 基のまんまで … 気概が白紙なんだわ と

彼を 云い当てた人もいた。

《本堂には入らないように!》 などと云う

そんな貼り紙など読める筈もない童子が…

本堂に しばしば入り…釈迦仏にオンブしたり

曲げた二の腕に座ったりして… 坊さんが

慌てふためいた事が 幾度もあった…。

囲い欄干の柱の頭が オッパイみたいな格好の

テンプルだったせ〜か? それも 2〜3歳の

丞は よく舐めていたんだと 大人になってから

住職に 聞かされた。

1歳から6歳まで 朝から夕方の 母が迎えにくる

までの 毎日の6年間… 丞は お寺の子だったのだ。

昨今 保育園の不足で 社会問題になっとるけれど

今から60年ほどの昔… 山村の童らは お寺に預け

たれたのであった、保育園の ハシリだったのだ。

そこの久利が まあ保育園で、寺の境内全体が 校舎

みたいな感じで… なんか古くさい 寺の仏画

仏像の中で ま…育ったわけです。

今で云えば…保育園に設置されている パンダや

ゾウの 彫刻がいろんな仏像だった…風ではある。

だだし、入ること禁止の遊具場…だったのだが。