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『たかが世界の終わり』

『たかが世界の終わり』を観に行きました。

http://gaga.ne.jp/sekainoowari-xdolan/

美しき天才グザヴィエ・ドラン監督最新作、

第69回カンヌ国際映画祭グランブリ受賞!!

もうすぐ死ぬことを家族に伝えるために、

12年ぶりに帰郷した人気作家ルイ。

浮足立つ母と妹をよそに兄は面白くない。

勝手に出ていって、今更なんだよっ

と突っかかりたくもなるのだろう。

きっと幼い頃から出来の良いルイと比べられ、プライドを傷つけられ、長年の鬱積からなのだろう。

終始苛立っている兄と、母や妹は口論になり、

申し訳なさそうな、弱々しいルイの顔。

ああ、僕がいるとこうなんだ、

ああ、やっぱり帰ってこなきゃよかった、、

些細なことですぐに喧嘩になる家族の中で、

きっと父とルイは余計なことは言わないで黙っているのが常だったのだろう。

ルイを無口にさせたのは彼らなのかもしれない。

そんなルイを彼らは家族なのになぜ心を開かないんだと思っていたのだろう。

でも物静かな兄嫁とはお互い通じるものがあり、

そんな二人の様子を見た兄は嫉妬からかまた苛立つ…

て、これはすべて私の想像でしかないけど、、

突然帰ってきたルイに、

彼らはただ事でないと身構えていて、

今度は何を言い出すんだと聞いてしまうのが怖かったのかもしれない。

これが最後だなんて、僕たちは哀しいくらい不器用だった

ほんと不器用過ぎて、一番近い存在のはずなのに、

こんなにも遠い。

でも家族だから、理解出来ない、けど愛してる

全編ほぼ役者の顔のアップで見せることが生み出す緊張感ったら!!

これもドランの試みなんだろうか。

この至近距離だと、その視線や息づかいなどちょっとした仕草で心の動きが感じられる。

でもこれはアップに耐えうる役者じゃないと成り立たないわけで、

ウリエルの憂いの帯びた顔を見てるだけでも苦しくなる。

こんなおどおどしたコティヤール、初めて見た!!

すっかり5人の演技にのめり込み、

もー辛くて辛くて、

♪飲ま飲まイェイ!!あたりからずっと泣いてて、

あーもーやだよ、やめてよ、見たくないよ、、

1日の終わりを告げる夕日が彼の顔を照らす。

カウントダウンを刻むかのような鳩時計、

その家の中に閉じ込められた鳥は、ルイと重なり、

その末路に胸が張り裂けそうな気持ちになる。

満足度 ★★★★☆