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日記×僧兵(22)

僧兵と言えば、『古今著聞集』に登場する僧兵達は、個性派ぞろいだった。

例えば、以前紹介した小殿と呼ばれた盗賊と、その仲間の大殿を捕まえに来た僧兵は、強烈な印象を私に残してくれた。

小殿と大殿が潜伏する家に現れた僧兵は、鎧はつけず、武器も撮棒(さいぼう)と呼ばれる棒だけだ。

だが、小殿が矢を放てば、垂直飛びでかわす。

小殿が潜伏先の家に逃げ帰ろうと走り出せば、追いかけてくる。

そして、小殿が逃げ込み、大殿が家の門を閉めて、二人して安心して振り返ると、大殿の背後に僧兵はいる。

ようは、小殿に張りつくように走って、一緒に家の中へ入ってしまったのだ。

そして、驚愕する大殿を、隙ありと言わんばかりに攻撃して倒す。

小殿は、その間に命からがらで逃げたが、盗賊から足を洗って堅気に戻った後も、トラウマとなり、同僚達へ「盗賊時代に一番怖かった出来事」として語る。

それを、「古今著聞集」の作者が書き留め、現在に至り、私が読んで印象に残る。

平家物語」の僧兵達は、よくしゃべるし、名前もあったが、この僧兵は終始無言だし、名前も名乗らない。

それなのに、どちらも印象に残ってしまったのは、一種の僧兵マジックに私がかかってしまったからだろうか。

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