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『種子が消えれば、食べ物も消える。そして君も』

先日、主要作物種子法廃止についての勉強会に行って参りました。

表題の言葉は、元国際コムギ・トウモロコシ改良センター、ジーンバンク担当のベント・スコウマンさんが亡くなる前に言った言葉だそうです。

土壌、水、そして遺伝資源は農業と世界の食料安全保障の基盤を構成している。

これらのうち、最も理解されず、かつ最も低く評価されているのが植物遺伝資源(つまり種子が)である。

それはわれわれの配慮と保護に依存している資源でもある。

そして最も危機にさらされている。

ということなんです。

ではなぜ種子が注目されるのでしょうか?

それは

『種子を制するものが世界を制する』

と言われているように、種子を押さえれば全てを押さえられるのです。

種子は遺伝資源としての価値があり、情報を持っている。

これを囲い込んでしまえば、外部の人は費用を払わないと扱えない。

つまり種はお金になるということなんです。

そもそも種子法は、第二次世界大戦後の食料不足の中、国の自給率を上げていく目的で制定されました。

それは1952年4月のサンフランシスコ講和条約発効の翌月5月に制定されており、日本の主権を取り戻すのは食糧の確保をもって成し遂げられたと考えられないでしょうか?

そんな大事な種子法を廃止する法案が、たったの5時間で可決されてしまったというのです。

農林水産省の方が説明されました。

良質かつ低廉な農業資材の供給を進めていく観点から、種子について、地方公共団体中心のシステムで、民間の品種開発意欲を阻害している主要作物種子法(昭和27年法律第131号)を廃止する。

つまりこれからは、民間企業がどんどん参入して、色んな品種が作れますよ〜、というふうになるそうなんです。

農水省の方のお話は、民間企業さんが、民間企業さんがと何度言ったことでしょう

種子の開発や普及を、国や県ばかりがやっているのが不公平だと言うんです。

素人の私が聞いていても、農水省は民間企業の利益のことしか頭にないんじゃないのか?

日本の農業のこと、私たち国民の安全な食糧の確保のこと、自給のことなんて二の次、三の次なんだ、とムカムカしてきました。

もちろん、そのあと参加者から質問や抗議が止まりませんでした。

農家の方が、ものすごい時間と研究と、そして税金を使わせて貰って開発した種を、いきなり民間企業に渡して同じレベルで生産させる必要があるのか?

国と県が持っている治験を積極的に民間に提供する、と盛り込まれているが、そこに外資が含まれるとなると、日本の農家は自分達で開発した種をモンサントにロイヤリティを支払って買わなければいけなくなるんじゃないか?

すでにモンサントやバイエルは日本の土地を確保して研究をしているそうです。

ある農家の方は、落花生の種を専門店で買おうとしたら、そこから採れた種は人に売ったり、無償で提供しませんという一筆を書かされ、やっと分けて貰えたそうです。

モンサントの種がどんな種かは、皆さんよくご存知のことと思いますが、農薬と抱き合わせでなければ買えない種もあるそうです。

一方、既にモンサントの除草剤では枯れない雑草が出てきているとのこと。

これからいったい、私たちの食べるものはどうなってしまうのでしょうか?

JAの組合長さんやら、農家の方やら、自分で土地を買って有機栽培で種を残そうとしている方、看護師をして病気の元は食べ物だと気付いたという女性、フリーのジャーナリストさん、などなど、止めどなく質問が浴びせられ、農水省の役人さんはまるで、被告人席に座らされた人のようでした。

悲しかったのはそれに対する農水省の答えが、全く農家や国民の側に立ってないということ。

かつて稲塚権次郎さんという日本人が、農林10号という小麦の育種に成功して、多収品種の農林テンのお陰で、インドやパキスタンの人が飢餓から救われたそうです。

稲塚さんは、農林テンに特許をとる何てことはされずに、自分の開発した種が沢山の人を助けたことを、喜ばれたそうです。

それが人間の本来の姿ではないでしょうか?

子孫を残せない種を売り付けるとか、高いロイヤリティを払わせるとか、大地を汚す農薬を撒かせるとか、種をあげただけでも訴訟になるとか、そんな世の中狂っていませんか?

ただ、気を付けなくてはいけないなと思ったのは、種の話だったのが、原発のことまで触れる人、それはまた別の話だと思いますが。

また、民進党の議員さんは、結局、

誰が悪い?農水省じゃありません、

今も国会でやっている全自動化忖度機です、我々野党もへっぽこですが、政権を取らなくては何も出来ませんのでよろしくお願いします、みたいな現政権の批判とへつらい。

そういうのが、せっかくの真剣な勉強会を台無しにするんだなぁと、絶望的な気持ちになりながら、帰途についたのでした。

あ、家庭菜園レベルで種を保存しましょうって話だけが希望に思えました。

今日13日、法案の採決がなされるそう……

小さくて、何も言わず、邪魔にもならず、でも必要なときに大きな恵をくれる種ちゃん、あなたを必死で守りたい心からそう思いました。

本当にありがとう。